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農業工業化が起こす種の喪失 [その他]

●工業化された農業によって
 地球は「第六の大量絶滅期」を迎えると科学者が警鐘を鳴らす

過去100年あまりの間に起こった工業化と人間の経済活動により、
地球の環境は極めて急激な変化の過程にあると考えられています。
地球の歴史の中で、これまでに大きく5回の
生物の大量絶滅が起こったことが定説となっていますが、
現在の人類の活動がこのまま続けば、地球は
「第六の大量絶滅」に直面することになる、と警鐘を鳴らす科学者がいます。

テキサス大学オースチン校のラジ・パテル教授は、
人類が世界各地で行っている
農業の工業化に対して強い危機感を抱いています。
工業化された農業では、
建設機械を投入してジャングルを切り開き、森林を伐採して開墾し、
油を採るためのアブラヤシや、マメなどの穀物の栽培が行われます。
ここで起きる大きな環境の変化が、多様化の喪失です。
森やジャングルではいくつもの植物が生い茂り、
その中で多くの生物が暮らしています。
しかし、全ての植物を根こそぎ取り除いてしまい、
農薬と肥料を大量に投入して
特定の作物だけが効率的に育つ土壌を作り上げることで、
元の森が持っていた多様性は完全に失われてしまいます。

パテル氏は「大規模な農業を行うグローバル農業が
残してきた足跡は非常に大きなものです。
農業の工業化は明らかに森林伐採を引き起こしていますし、
単一品種生産につながっています。
これが意味するところは、種の喪失です」
と、近代の工業化が
地球環境に悪影響を与えている点を指摘しています。

また、陸地だけでなく
海でも環境の変化は起こっているとのこと。
メキシコ湾の中には、海中の酸素濃度が極端に低く、
ほとんどの生物が住むことができない
「デッドゾーン」と呼ばれる一帯があります。
これは何らかの偶然で発生したものではなく、
アメリカ国内の農地に散布された肥料が雨水によって流され、
ミシシッピ川を下って海に到達することで、
生物が住めない環境に変化したと考えられているとのこと。
パテル氏はこれらのできごとを
「工業化を実現するためには、
他の何かに負担を押しつけなければならないから」
と語っており、人類の経済活動によるしわ寄せが
地球環境に及んでいることを指摘しています。

ブラジルで行われているという大規模農業では、
広大なジャングルを開墾して
豆を育てる畑に土壌を改造しています。
その結果、一帯には豆しか育たない環境が作られて
他の植物は完全に排除され、
そこに住む動物はほとんど存在しないという
「緑の砂漠」が生まれているとのこと。
パテル氏が「大量絶滅とは、多様性が失われることを意味します」
と語るように、この土地では
それまであった豊かな生態系が
完全に失われてしまっているといいます。
そして、そこで生産された豆は家畜の肥料になり、
最終的には人間が消費するという流れが作られているのです。
世界各地では、アブラヤシを育てるために
ゾウやジャガーが住み家を追われ、
カタクチイワシなどの小魚を大量に捕まえて
養殖魚のエサに加工されています。

このように、地球規模でものすごい変化が
人々が意識しないうちに進んでいるわけですが、
これを止めるために何をすれば良いのか、と尋ねられたパテル氏は
「大きなスケールで考える必要があります」と答えています。
実際のところ、この問題に
個人が与える影響力は小さいと言わざるを得ませんが、
選挙を通じて政府に働きかけるなどの意識の変化を
ひとりひとりが進めることで、次第に社会が変わっていくと
考えることが重要であると説いています。

パテル氏が指摘するのは
「ベジタリアンだから私は大丈夫」という考えは正しくないということ。
自身もベジタリアンであるというパテル氏ですが、
例えば豆腐を食べたとしても、
その原料の豆はひょっとしたらブラジルから来たものかも知れず、
どこかでつながっていることが
完全に否定することは難しいと語ります。
またパテル氏は、人々の経済活動、ひいては資本主義そのものが
地球の環境破壊と大量絶滅を引き起こそうとしていると
警鐘を鳴らしています。

どうやら効果的な解決策を見つけることが難しそうなこの問題ですが、
パテル氏は「人類は物質的な豊かさに依らない生き方を
見つける必要があります」と語っています。

http://gigazine.net/news/20170829-industrial-farming-sixth-mass-extinction/

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